読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

フヒねむのブログ

ねむくて仕方がない日々の記録を残せたらいいな、と思っています

【漫画感想】「ハックス!」 全4巻

漫画 漫画-今井哲也

ハックス!(1) (アフタヌーンコミックス)

阿佐実(あさみ)みよし、高校に入学したばかりです。新入生歓迎イベントで、すっごいアニメを観てしまいました。なんかこう、子どもの頃みたくワクワクしちゃうような。なんでもそれは、この高校の先輩達が作ったそうなんですよ! ……えっ? アニメって自分達で作れちゃうんですか? だったら、みんなで作ったらきっとすっごく楽しいですよ! こうしている場合ではないですよ私達!!

Amazon内容紹介より

映像研には手を出すな!」を読んでいて「これはハックス!を読み直さなければ…」という気持ちになったので読み直しました。「アリスと蔵六」もそろそろアニメが始まるようなので、ちょうど良い機会だったかもしれませんね。改めて読むと、埋もれてしまうのがもったいない漫画だなあ、と思いました。全4巻で読みやすい長さですので、「アリスと蔵六」のアニメ経由という方や「映像研には手を出すな!」と似た世界に浸りたいような方には読んで欲しいですね。


さて「ハックス!」です。自分は残念なことに登場人物の三山先輩のような、頑張ることで自分の出来ないことを直視するのが恐くて何もできない、というタイプの人間でしたので、主人公のみよしちゃんたちのような何はともあれ行動できるような人たちには本当に憧れしかありません。ですので、三山先輩がみよしちゃんたちの頑張りを見てイラつくのは結構理解できてしまいます。さすがに自分は三山先輩のようにあからさまに頑張っている人たちの気力を削ぐような言動はしていなかったと思いますけれども…。大人と呼ばれる年齢になって、ある程度経ってから、やっと少しだけ改善できた大いなる短所であったな、と考えることができるようになりました。4巻にある部長・後藤先輩のこの前後のコマは何かに夢中になれないな、と行動できていない方たちにはぜひぜひ読んで欲しいですね。自分も今後事あるごとに思い返したい言葉です。
f:id:fuhinemu:20170321230906p:plain

ハックス!では三山先輩の他に、映像研の部長という登場人物の面々に積極的な悪意を向けてくる人物がいますけれども、個人的には現実世界で危険なのはこういったタイプよりも友だち的な距離感で頑張る人を惑わせる人間かな、と思いますね。悪意を向けられた場合は遠ざかるかそれなりの対応をすれば良いですけれども、元々友だちのようなポジションにいた人たちが足かせになることは頑張っている人には結構多そうな印象があります。どんな分野でもそうだと思いますけれども、頑張るべき時にはレベルの低いところで群れていると終わってしまうんだよな、と改めて思いました。


また何かを作っている時には、このコマのことを強く意識するのが正しいよなあ、とかも思いましたね。作る時には迷いを捨て去って、ただただ作りあげろ、と。
f:id:fuhinemu:20170322203154p:plain

自分はどちらかと言うと、何か手を動かしている時も色々と考えすぎてしまう人間なので、そのたびに作業が止まっていまって…みたいなことが多いですし、最初から120%の出来栄えを目指して自滅する、みたいなパターンも少なくなく、作り上げることというのはかなり不得意です。最近になってようやく、6,70%を目指して作り上げてから、少しずつ完成度をあげていく、という作業ができるようになりましたが、もう少し早く出来るようになっていればなあ、と思ってしまいますね。


ところで「ハックス!」はキャラクターを見てみると特に女性キャラクターに関しては判別しにくい印象が以前からありました。パーツなどで差をつけられてはいるのですけれども、元々の顔の造形が似ているのでパッと見で判断しにくいことが多かったのですよね。再読してもその印象は変わりませんでした。脇役も含めたキャラクターたちの「息づいている」雰囲気がとても上手く描かれていて、そこが魅力の漫画でもあると思うので、顔のバリエーションがもう少しあれば、読みやすさも増したのではないかなあ、とか思ったり。そういった意味では「アリスと蔵六」はキャラクターの顔のバリエーションは若干似ているものの、確実に増えているので読みやすさが増しているのかもしれないな、と思いました。


そんな訳で「ハックス!」は改めて評価されて欲しい漫画でした。「映像研には手を出すな!」はまだ1巻の段階ではありますけれども、似たテーマ・舞台を扱っていても、これだけ印象の違った漫画が読めるという喜び、みたいなものも再読して感じましたね。「ハックス!」は「アリスと蔵六」のアニメ化と「映像研には手を出すな!」の1巻を読んでの流れで、ぜひ多くの方に読まれて欲しいなあ、と思います。

【漫画感想】「ゴールデンカムイ」 10巻

漫画 漫画-ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイ 10 (ヤングジャンプコミックス)

「オイお前 白石だろッ」逃げるは上手いが、すぐ捕まる! 第七師団に捕らえられた脱獄王・白石を救うべく杉元、土方一行は「白石奪還作戦」を決行することに。迎え撃つは総本山・旭川第七師団本部!! この作戦に需要と勝機はあるのか!? 冒険・歴史浪漫・文化・狩猟グルメ! LOVE&GAG! 全部煮込んだ和風闇鍋ウエスタンついに大台・第10巻!!!!!!!!

Amazon内容紹介より

ゴールデンカムイもとうとう2桁10巻突入ですね。6巻辺りからは怒涛の勢いで発刊されている気がします。表紙は1巻以来となる不死身の杉元さん。1巻の時とは違って今回は鬼気迫るという言葉がピッタリとくるような表情ですね。裏表紙のアシリパさんはさすがの美少女でした。中では変顔の連発でしたけれども…。中身は全体的に相変わらずで最高です。


さて「ゴールデンカムイ」10巻ですけれども、冒頭のアイヌグルメからアイヌ文化、バトル、ギャグ、メインストーリーまでとてもバランスが良かった印象です。内容紹介にある闇鍋感は毎回のことですけれども、そのバランスが一時期若干崩れかけていた気がしていたので、安心しました。9巻の時に感想に書いた「少し落ち着いた展開が欲しい」という要望が早くも叶えられた格好ですね。またメインストーリーに関しては相変わらず敵味方という切り分け方がなくて良いなあ、と思いながら読みました。今後も裏切り裏切られみたいなことが前提としてありそうですけれども、その辺りは望んでいる展開ではありますし。ただ杉元さんとアシリパさんが一時的にでも敵対関係になることだけは見たくないかな、と10巻のラストを読みながらしみじみと思いました。


ちなみに以前から何度も書いていますが、個人的にはゴールデンカムイはメインストーリー以上にアイヌグルメとアイヌ文化や自然描写などの部分を楽しんでいるのですけれども、突然エゾシマリスやサッポロマイマイが特に脈略なく入ってきたのには驚きました。特にサッポロマイマイは地味に面白かったです。出来れば白石さん辺りのキャラクターともう少ししっかりと絡ませてくれたらもっと良かったですのに…。

そして飛行船の上で白石さんと杉元さんとアシリパさんがキーキー言いながらエンジンらしき物をバンバンと叩いていますけれども、あれは猿の真似なのでしょうかね。白石さんと杉元さんに関しては猿の真似をしていても特に疑問はないのですが、アシリパさんに関しては猿を見たことがないはずなので*1、他の2人の真似をしているのでなければ、なぜ猿を知っているのだ…とか考えてしまいました。まあ、そんなに深く考える必要もないですし、3人が仲良くじゃれ合っていただけと考えるのが幸せですね。


ところでチカパシ君が色々と目覚めてしまっている気がして将来が不安です。遠目で服の上からおっぱいを見るだけでインカラマツさんを判別するとか、特殊能力すぎるでしょう。今後、各種歴戦の変態たちの中で成長していくとしたら、将来チカパシ君は規格外の変態になってしまうのかもしれませんね。楽しみです。また変態たちの中心にいるようなアシリパさんは土方さんに抱かれて眠るシーンなどを見ると、ホッと安心できるものがあったり、10巻最後のシーンでは杉元さんと一緒になって感極まってしまいそうになる言葉をかけてくれますし、単なる変態ではないので土方さんが言うように大物感がありますね。さすがにチカパシ君には大物感は感じません。すぐ脱ぎますし…。


そんな訳で「ゴールデンカムイ」10巻は相変わらずの勢いがありつつも、安定した闇鍋感を感じられるようにもなっていて安心しました。これだけ色々と詰め込んでおいて、怒涛の勢いで展開させているお話をしっかりと落ち着かせることができるバランス感覚に脱帽です。10巻以降も安心して読み続けることができそうなので嬉しいですね。楽しみです。

*1:北海道には猿の北限を越えているので、ゴールデンカムイの時代のアイヌであるアシリパさんは猿を見たことがないはず

【漫画感想】「木曜日のフルット」 6巻

漫画 漫画-石黒正数

木曜日のフルット 6 (少年チャンピオン・コミックス)

ニンゲンみたいなネコとネコみたいなニンゲンのダメかわいいギャグ漫画! 新たな仲間も加わって、ますますほっこり笑えます。

Amazon 内容紹介より

先日、ついに完結してしまった「それでも町は廻っている」の石黒正数氏による「木曜日のフルット」です。ちなみに毎回しっかりと欄外に挿入されている「この作品はフィクションであり~」の文章が好きです。正確に言えば、好きというよりは毎回毎回ちゃんと捻り出していて、ただただ凄いな、と思ってしまいます。どのくらいの時間をつかって考えているのでしょうね、あれ。


さて「木曜日のフルット」の6巻ですが、書き始めておいてなんですけれども、「木曜日のフルット」は感想を書きにくい典型例のような漫画だと思っています。面白さがわかりにくい、というような漫画でもありませんし、画がとっつきにくい、というような漫画でもありませんからね。また語られているお話は単純かと言われれば、そんなこともなく、結構時事ネタっぽい回もありますし。登場人物たちは基本的にはみんな善人*1ではあるけれども、そこそこクズいところも持っていて、可愛げも持ち合わせてもいたり。さらに一話完結ですし、文字が多い訳でもない…もうこれは、面白いからとにかく読んでみてください、というしかないような誰でもが楽しめる漫画だと思います*2


ちなみに毎回抜き出してしまいたくなるコマが豊富なことでもお馴染みの木曜日のフルットではありますが、6巻で1コマ単独で抜き出してしまいたくなったのは下のコマでした。
f:id:fuhinemu:20170314014239p:plain

このセリフを鯨井先輩に言わせてしまうところが何とも言えません。そしてこの表情…鯨井先輩はまだとうぶんの間は無職で頑張ってくれそうだな、と確信しました。ちなみに1巻から6巻までで一番好きだった1コマはフルット君の「オメオメ」です*3。こんなオノマトペ化アリか!と衝撃を受けた気がしますね。そして何よりも可愛いかったです。


ところで木曜日のフルットに登場するキャラクターでNo.1の男前と言えば、間違いなくデン様だと個人的には思っていますが、6巻でも男前でした。ジャイアンの男前成分を抽出して自分から意地悪や乱暴をするなどは決してしなくなった感じ、とでも言えば良いでしょうか。ボスかくあるべし、みたいなものを体現しているキャラクターだと思います。頭の回転においてはフルット君の足元にも及ばなそうですけれども、まあそれはフルット君の賢さを際立たせているので、問題ないですしね。基本的には無口なのも好みです。

それにしても頼子さん、5巻では確か霊能者の宍緒さんにかなり負の感情を持っていたと思うのですが、短い間に随分と評価が変わってしまいましたね。その180度評価を変えた間にどんなドラマがあったのか、とても気になります。頼子さんの「そんなふうに考えていた時期が 私にもありました」のコマの顔が何かを悟っているようで絶妙にイラッとする顔でした。オチに関しては鯨井先輩にはもっと強力な何かが憑いているでしょう、と言いたくなりましたけれども…。それにしてもフルットの世界にはわりと霊的な存在がたくさんいますね。しかも由来が結構キツめの。宍緒さんはそこそこの頻度で登場しそうなキャラクターなので、霊たちもまだまだ登場しそうな予感がします。


そんな訳で「木曜日のフルット」6巻は相変わらずのユルくて可愛いけど、しっかり毒も吐いてくれてという安定した漫画でした。それ町が終わってしまって寂しい想いを抱えている方は廻覧板とフルットで満たすしかありませんよ。藤子不二雄作品が好きな方にもオススメです。

*1:動物も含む

*2:もちろん読んだ結果として合う合わないが多少あるのは仕方がないとは思いますが…

*3:2巻フルットの巻26参照