フヒねむのブログ

ねむくて仕方がない日々の記録を残せたらいいな、と思っています

【漫画感想】「終電ちゃん」 1,2巻

終電ちゃん(1) (モーニング KC)

がんばってる人々を、今日も熱心に送り届ける「終電ちゃん」。「お前たち、明日はもっと早い電車で帰るって約束しな!」。終電には、日々を生きる乗客のドラマがある。中央線の高尾行きの終電は、午前1時37分に終点・高尾に到着する。これは全国の鉄道で最も遅い。疲れてて眠いのに、彼女に会えて、なんだかうれしい――。不思議な高揚感と一体感のある、終電物語開幕!!

Amazon内容紹介より

感想を書いていないままになっていた漫画がいくつかあるのですが、部屋中の荷物をひっくり返している中で、新天地にそのすべてを持って行くことがすぐには出来そうにないことに気付いてしまったので頑張って書くことにします。近々3巻が発売されるようですし、タイミング的にはちょうど良いかもしれませんね。


さて「終電ちゃん」1,2巻です。終電…もう随分長いこと経験していませんけれども*1、確かに路線ごとの特色があったり、不思議な一体感みたいなものがあったりと面白い空間ですよね。漫画「終電ちゃん」は、そんな「終電」に特化して擬人化した「終電ちゃん」と終電に乗る人々の繰り広げる人間ドラマです。メインの「終電ちゃん」は中央線快速の高尾行きの終電なのですけれども、終電が日本全国の様々な路線に存在するように、この漫画内でも色々な「終電ちゃん」が活躍します。それぞれの終電ちゃんに個性があって、それが少しずつその路線の特徴を捉えているようにも感じられて面白いです。

それにしても路線の擬人化というのは割と存在しますし、思い付きやすそうですけれども、終電だけをフォーカスして擬人化というのは初めて読んだ時には、なるほどー!と膝を打ちました*2。中央線の終電ちゃんは姉御肌の人情家という感じで描かれており、対して山手線の終電ちゃんは都会派エリート的なお高い感じがあります。また新幹線の終電ちゃんは圧倒的に上品ですし、小田急線の終電ちゃんはおっとりしています。地方路線もすでに登場していますので、今後日本中の終電ちゃんの登場が期待できますね。自分の地元の路線の終電ちゃんが登場したら結構嬉しくなってしまいそうです。


個人的にはやはり中央線終電ちゃんの姉御肌なところに魅力を感じますね。終電ちゃんはその路線が誕生してからずっと存在しているようなので、若干昭和的な雰囲気を醸し出していることが多い気がします。もしかしたら人情物=昭和臭という意識が自分の中に根付いてしまっているからなのかもしれませんが…。ちなみに自分としては、1巻の0話プロローグでの下の見開き2コマに終電ちゃんの魅力が込められているように思いますね。
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この乗客みんなが終電ちゃんを慕っている様と「するするーッ!!」のノリが大好きです。また終電ちゃんの乗客1人1人のことを常に思いやっている言動と、そのためには終電なんかに乗らない方がいいんだ、という自己否定的な態度には読んでいてじんわりと染みてくるものがありますね。首都圏の鉄道事情や日本の一般的な労働環境に関しては、かなり悪い印象しかありませんけれども、終電ちゃんのこの自己否定的な態度が単純に終電のいい話、として語られていないことを表現してくれているために安心して読めるところはありそうです。


ところで終電というと、どうしても都市の中心部から周縁部へ向かう方向のことを考えてしまいますが、それぞれの路線には逆向きも存在しますよね。中央線快速にも東京行きの終電がある訳ですし、その車内の雰囲気は下り線とはかなり違っていそうです。各路線の色々な終電ちゃんが登場するのと共に、同一路線の上り下りで別々の終電ちゃんは登場するのかな、など3巻以降も楽しみは尽きません。


そんな訳で「終電ちゃん」は不思議と少し懐かしさを感じるような終電での人間ドラマを味わえる漫画でした。個人的には首都圏を離れるにあたって、今後、郷愁を感じる漫画となりそうです。短い間、終電帰りが続いている方が終電の中で読むと少し心温まるかも知れません*3

*1:終電間近になることは結構多いですが、完全なる終電はほとんどありませんね。今後はとうぶんの間、終電どころか電車に乗ること自体が圧倒的に減りそうです

*2:鉄道擬人化界隈に自分が詳しくないだけ、という可能性は少なくないですが…。「鉄道擬人化」というWikipediaの項目があることを初めて知り驚きました

*3:が、終電が日常の方だと何も感じないか、終電ちゃんの幻を見かねないので、今日は早く帰りましょう