読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

フヒねむのブログ

ねむくて仕方がない日々の記録を残せたらいいな、と思っています

【漫画感想】「リュウマのガゴウ」 10巻(完結)

リュウマのガゴウ 10巻 (ヤングキングコミックス)

白皮と呼ばれる化け物に人々は怯えながら暮らす中、唯一の希望となる英雄達は「リュウマ」という名を継いでいた。
新種の白皮が人類を襲う中、まだ争い続ける神州倭とミズガルズ。
人と白皮の間に生まれたリュウマは最後の決断を下す。
英雄達のストーリー遂に完結!!!

Amazon 内容紹介より

完結してしまいました「リュウマのガゴウ」10巻です。終わってしまったなあ…という感想が一番です。お話全体に関しては9巻の54話冒頭にあった作者氏本人によるぼやき半分のようなあらすじに書いてあったことがすべてなのではないかなあ、と思いました。ポイントポイントではとてもカッコ良く、面白かったと思います。そして完結してから全巻を読み返してみると、最後の駆け足感は否めませんでしたが、やはりかなり面白かったです。ただし、それはまとめて読まないとなかなか伝わるのが難しい面白さだったかなあ、と思ってしまうのも事実ですね。


さて「リュウマのガゴウ」の完結10巻です。まず、個人的には完結したからこそオススメしたい漫画となりました。完結までの間は面白いとは思うものの、人を選びすぎる漫画だろうなあ、と思っていました。漫画を貫くディストピア感、世代を越えた英雄譚が紡がれていく重厚感、攻城戦を始めとする戦闘の緊張感、白皮という人の近縁な存在の化物に対する嫌悪感、愛着のあるキャラクターが次々と倒れていく絶望感、そして感動。どれもが高レベルにあったと思います。ただ、どうしても要素が多くなってしまったせいで、毎巻読むごとに、特にキャラクターの違いと時代の前後には戸惑うことも少なくありませんでしたからね。

ちなみにディストピアは漫画では描かれることの多い舞台ですけれども、「リュウマのガゴウ」に関しては環境的には「風の谷のナウシカ」をもっと悪化させた感じと言えばわかりやすいでしょうか。そして世代を越えた英雄譚というところで言うと漫画では「ジョジョの奇妙な冒険」がわかりやすいでしょうかね、個人的にはどちらかと言うとゲームの「ロマンシング・サガ2」や「俺の屍を越えてゆけ」の方が近いイメージですけれども。また対非人間の攻城戦と言えば、どうしても「進撃の巨人」を連想してしまいます。更に白皮の気持ちの悪さはわりと「EVA量産機」に近いと思います*1。キャラクターが次々と倒れていく絶望感は「バスタード」の方舟での戦闘を思い出しました。

こういった他の作品との比較はあまり好みではありませんけれども、上記のような要素が絡まっていて高いレベルにある漫画ではあったと思います。どちらかと言うと、もう少し要素を削ってどこかに特化した描き方がされていれば、もっとわかりやすく万人受けしたのかもしれないなあ、などと考えてみたりしました。ただし、9巻の感想でも書きましたが、わかりやすいことが面白いことと同じではありませんので、こればかりは個々の漫画の個性を愛すべきなのでしょうね。そして「リュウマのガゴウ」は愛すべき漫画たり得ていると思います。


ところでキャラクターは、判別が難しい人物も少なくはなかったのですけれども*2、魅力的なキャラクターはかなり多かったです。特にビッグボス団のリュウマと賭博街オリビアのリュウマたちが、まがい物のリュウマとして登場して、最終的には本物の1人として戦っていくところは涙腺が緩んでしまいました。そして神州倭のリュウマコンビは登場するまでの間、あとがきで随分と楽しませてくれましたね。9巻の感想で1番好きなキャラクターとして挙げていた「アインス」さんは10巻で思っていた通りの展開が待っていましたが、想像以上に意味のある役割を背負ってくれたので、悲しい反面喜ばしい気持ちにもなりました。一々名前を挙げておきたいキャラクターもまだまだいるのですけれども、キリがないのでこのくらいにしておきますが、つまりはそのくらいに魅力的なキャラクターが満載なのです。


そんな訳で「リュウマのガゴウ」10巻は少し寂しさを感じさせる完結巻となりました。確かに最後は駆け足気味で描き足りていない部分もあるのだと思いますが、個人的にはこれ以上は蛇足感が強くなりそうだな、と思いましたし、しっかりと終わってくれて良かった、と今は納得できますね。今からお話を再構築すれば、もっと全体的にスッキリするかもしれませんが、少しごちゃごちゃっとしたところもリュウマのガゴウの魅力のように感じたりします。「リュウマのガゴウ」のような「しっかりと読むと面白い」漫画が、慌ただしい世の中でも、もっと受け入れられて欲しいな、と思います。

*1:色々な種類の白皮がいますが、特に口が

*2:そもそもガゴウシステムのおかげで「リュウマ」はたくさんいますし…