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フヒねむのブログ

ねむくて仕方がない日々の記録を残せたらいいな、と思っています

【漫画感想】「戦国機甲伝 クニトリ」 1巻

漫画 漫画-戦国機甲伝 クニトリ 漫画-あさりよしとお

戦国機甲伝 クニトリ (1) (SPコミックス)

“武将”と呼ばれる戦闘用の人型機械を操り、各地で大名たちが争っていた戦国時代。
しかし、この乱世に疑問を抱く一人の人物がいた。その名は、織田信長。
「この戦は誰が始めたのか」
羽柴秀吉や徳川家康を率い、戦を通じて「世の理」に挑む、信長の新たな“クニトリ”がここに開幕!!

Amazon内容紹介より

最近、新刊のペースが早い気がするあさりよしとお氏の「戦国機甲伝 クニトリ」です。戦国時代と巨大ロボットの組み合わせは珍しさを感じませんが、「武将」と呼ばれる人型機械が対人兵器としての存在ではなく、あくまで対「武将」用としてでしかなさそうな描かれ方がされているのは珍しい気がします。また、源平合戦の時代から「武将」が存在していたことも明かされていて、オーパーツとしての「武将」の起源やその存在する意味、という側面もしっかり語られていく内容になっていることを予感させるところは今後に期待を寄せてしまいます。


さて、この漫画の中心となっているのはやはり「武将」と呼ばれる人型機械だと思いますが、漫画内ではその「武将」を通して兵站の重要性が繰り返し描かれています。「武将」は通常サイズの約3倍ある今川義元の物が75t、15mという大きさだそうで、全長は小さめのMS*1くらいですかね。しかし、重量は物凄いです。75tって…。比較対象が見付からないくらいに重いですが、MSにしてもガンダリウム合金という存在がなく、ほぼ現代の技術水準で作ったとすると、そのくらいの重量になるのだと思います。ちなみにお台場ガンダムは中身がスカスカの状態で35tだそうで、きっと漫画内のような物を作るとなると75tくらいになるのでしょうね。

また「武将」は米を原料としたアルコールを燃料として動いているとのことですが、1600年前後の日本全体での石高は約2000万石とも言われていて、人口が推定2000万人*2ですから、人ひとりが1年間で消費する米の量を1石として考えた時に、「武将」の分で完全にマイナスになる訳です。また通常の「武将」1体は3石で約40km動けるそうですが、戦闘時はもっと消費が激しくなる、という記述もありますので、人間同士の戦いにおける兵站よりも遥かに条件が厳しそうに感じてしまいます*3。ただ、それゆえに兵站の重要性がよりわかり易くなっている、と読むこともできるかもしれません。


ちなみに現実の戦国時代に存在したとしても、その運用だけで厳しそうな「武将」ですが、「城がねーぜ」とルビ振りされている野武士*4たちも小型の物を持っていたり、かなり普及はしているようです。桶狭間の戦いの時点で今川義元が100機、織田信長が30機の「武将」を保持していたようなので日本全国で考えればかなりの数の「武将」が存在していそうですよね。それだけの数が存在するとすれば、当然燃料であるアルコール生成の技術は高そうですし、整備・修理技術もかなりのものでしょうから、それに伴って科学技術は全般的にあがっていそうな気もします。そう考えると、そもそもの石高自体がもっと高まっている、という可能性はあるのかもしれませんね。


ところで、漫画内では明確な説明も描写もないのですが、登場人物たちはほぼ全員が女性のようです。性別不明な人たちは存在しますが、明確に男性として描かれている人物はひとりも存在しません。名前が出てくるキャラクターたちはもとより、モブキャラたちも、かなり控えめではありますが、少し胸の辺りの描写が男性のそれとは違って膨らみを感じさせるようになっています。ただ、名前は歴史上の人物の名前を引き継いでいますので、なかなか不思議な感じもしますね。そして、これはこの漫画の物語の根幹をなしてきそうな部分ではあります。現状では、まったく想像もできませんが…。


そんな訳で「戦国機甲伝 クニトリ」は、まだ1巻ですのでどういう世界を描きたいのか未知な状態です。2巻以降の展開次第で評価がかなり変わってきそうな予感がしますね。あさりよしとお氏のことですから、一般受けはしなくても個人的には楽しめるものになることがほぼ確定しているのが嬉しいです。ところで大型人型機械+エネルギー確保がたいへん、という共通点だけで「荒野の蒸気娘」を再読したくなりました。よくよく考えると旧版は持っていますが、新装版は買っていないのですよね。いい機会ですから、買って再読しても良いかもしれません。

*1:F91とかと同じくらいの全長ですね。質量はまったく比べ物にならないくらいに大きいですが…

*2:最大で2000万人くらいみたいです。

*3:人間の場合には戦いに参加していようがいまいが、ひとりはひとりですからね

*4:このルビ振りにはかなり笑いました