フヒねむのブログ

ねむくて仕方がない日々の記録を残せたらいいな、と思っています

【漫画感想】「白暮のクロニクル」 9巻

白暮のクロニクル 9 (ビッグコミックス)

近づく、Xデー…捜査、急展開!

雪村魁は、不老不死のオキナガ。
60年間「羊殺し」という、ひつじ年のクリスマスに起きる猟奇的な連続殺人事件を追っており、厚生労働省の夜間衛生官の新人・伏木あかりとともに、捜査を進めている。
そんな中、魁の想い人にして、あかりの祖母だったことがわかり、長尾棗が殺された事件の12年前にも、羊殺しに似た殺され方をした女性がいたことが分かる。
その女性の名は、伊集幸絵。
あかりの上司にして厚生労働省の参事・竹之内唯一の婚約者であった。
「羊殺し」に酷似した、伊集幸絵の殺人事件は、最初の「羊殺し」なのか?
そんな中、当時事件の日から行方をくらましていた重要参考人が、
偽名で生存していたことが発覚して…!?

【編集担当からのおすすめ情報】
ひつじ年のクリスマスがあと2週間ほどに迫る中、
未だ犯人の手がかりを得られていなかった中、
72年前の事件から、まさかの手がかりが…!?

時代を超えるサスペンス長編、物語は佳境!!!

Amazon 内容紹介より

いやあ、佳境ですねえ。8巻読了時に思っていたよりもはるかに佳境に突入していました。ちなみに9巻末時点で8巻冒頭部分までの時間が進んでいません。まあ、8巻冒頭部分は12月24日でクリスマス・イブですから、その時点まで進んでしまったらきっとお話が終わってしまうので、仕方のないことなのですが…。それにしても、8巻冒頭部分になかなかにショッキングなシーンが来てからのクライマックス感というか、お話の疾走感というのは本当にたまりませんね。反面、若干の駆け足感が気になるところですが、一気読みしていたらもっと興奮しただろうな、と思います。今から完結してからの再通読が楽しみです。


さて8巻の感想で疑問としていた雪村君の兄を名乗る人物は、やはり竹之内さんが何百年か前に血分けしてオキナガになった人、ということで良かったみたいです。生まれは1461年、7歳の時に応仁の乱が始まって…みたいな話をしていて、おおぅ!ってなります。歴史上の人物が生きていた時代から生きている人が存在したとしたら、歴史学者の立場はなかなか難しいものになってしまいそうだなあ、とか思いました。オキナガは生物的特性*1としては歴史学者は向いていそうですけど、享楽的な性格が向いていなさそうなので、そもそも歴史学者になろう、という人が出てこなそうではありますね。そんな中ではやはり竹之内さんはかなり特殊で、これで悪意のある人だったら歴史改ざんとかに手を染めていてもおかしくはないかな、とか考えてみたり。実際、竹之内さんが目指すところは今のところハッキリとしない感じがありますよね。今後明らかになるだろう竹之内さんの個人的な情報も楽しみです。そもそも何時代から生きているんだよ、という疑問がありますよね。

ちなみに9巻での新たな疑問は、8巻で雪村君の兄を名乗る桔梗さんが、なぜわざわざ姿を見せたのか、というところですね。9巻での桔梗さんの人物像からは、ナリアガル*2以前から生き物を殺すことが好きな快楽殺人者という部分以外は見えてきませんし、太平洋戦争から*3でも70年経って何かを為す理由が見当たらない気がするのです。単に快楽殺人者だとしたら、わざわざ雪村君の目の前に姿を現す必要がないと思うのですよね。きっと何かしらの理由が用意されているかと思うのですが、それが桔梗さん自身より雪村君の方が竹之内さんに大事にされていそうでズルい!みたいなオキナガ的でない浅めの理由でないといいのですがね…。


ところで、ゆうきまさみ氏の漫画で好きなところは多々あるのですが、そのひとつとしては登場人物たちの物語だけではなくて、その物語の周辺部にある社会の空気もしっかりと描いている部分が丁寧でかなり好きですね。「機動警察パトレイバー」でもそうですが、パトレイバーや特殊2課への社会からの風当たり、みたいなところはしっかり描いていますし、鉄腕バーディーではインターネットでの噂話みたいなものがしっかりと表現されていたりします。「白暮のクロニクル」でも、オキナガに対する社会の目が段々と厳しくなっていくところや、実際に迫害を受けていると言ってもいい状況にまで陥っていく様が新聞雑誌の見出しやインターネットの書き込みの描写やモブキャラのセリフなど、様々な角度から描かれています。こういったところが漫画のお話の中でのリアリティに繋がっていくのだろうな、と思います。やはり漫画の中のリアリティは大切ですよね。


そんな訳で9巻も「白暮のクロニクル」は相変わらず安定して面白かったです。まだ1巻も読んでいない方には完結してからの一気読みをオススメしたいですね。また、実写でドラマ化してくれたら、かなり見応えのあるものができあがりそうな気がします。そんな漫画をTVドラマ化してしまうの!?みたいなこともありますから、ゆうきまさみ氏の漫画であれば十分に楽しめるものができると思うのですがね…ゆうきまさみ氏本人がどう思っているかはわかりませんけれども。ちなみに10巻の発売は年内2016年12月28日頃のようなのですが、「最終章」と書かれていました。「最終巻」ではないけど、もうすぐ終わるということでしょうか、それとも10巻で完結なのでしょうかね。気になります。それにしても、発売日はどうせなら12月24日にならなかったのですかね…。もしかしたら漫画の中での最終日も12月28日に設定されていたりするのでしょうか。今から楽しみです。

*1:超長寿

*2:オキナガになること

*3:雪村君がナリアガッてオキナガになってから